クラックレス硬質アルマイト 概要
硬質アルマイト処理の作業中、水洗の中で小さな音が聞こえることがあります。これは皮膜にクラック(ひび割れ)が発生している状態を示しています。クラック(ひび割れ)は加熱と冷却など素材であるアルミニウムと皮膜の膨張係数が異なるために発生します。クラックを防ぐ対処法としてアルミニウムの再結晶温度である250°Cまで加熱することでクラックを限りなく減少させることはできますが、まったく「0」にすることは難しいです。また、クラックの発生による影響としては、亀裂からの介在物や耐食性、耐摩耗性等が若干下がる傾向があり、ひどい場合は精密機器の損傷などに影響を及ぼすことがあります。
当社のクラックレス硬質アルマイトは、アルミニウムの再結晶温度以上の300°Cで加熱してもクラックが入らず、更に耐摩耗性に優れた硬質アルマイトです。300°C加熱条件下での耐摩耗性を比較したところ、一般的な硬質アルマイトでは15~20%ほど減少するのに対し、クラックレス硬質アルマイトはわずか5%以内とJIS規格の1/3~1/4以内を示しております。
クラックレス硬質アルマイト 特長
300℃高温下でもクラックが入らない耐摩耗性
クラックレス硬質アルマイト 用途
熱処理や屋外環境(日光・紫外線環境下)に使用する部品
クラックレス硬質アルマイト 対応可能な材質・大きさ
【対応可能材質】
- 純アルミニウム系:A1100、A1200等
- 耐食合金系:A5052、A6061、A6063等
【対応可能最大サイズ】400×150×400mm