6価クロムフリー化成処理 [ACF] 概要
アルミニウムの化成処理は、アルミニウム合金を薬液に接触し化学反応を発生させることで、表面に金属塩皮膜を形成させ、塗装密着性や耐食性機能を付与します。飲料缶をはじめとして、自動車部品、建材等の防食、塗装下地処理など様々な分野で使用されています。
しかし、化成処理はアルマイトに比べて耐食性が劣ってしまうことが欠点とされています。耐食性を上げるためにこれまで主に六価クロムを使用した処理が行われてきましたが、近年、自然環境保護や健康被害防止の観点から毒性を含む六価クロムを使用しないクロムフリー処理液への移行が進んできています。しかし、クロムフリー処理では十分な耐食性を維持することが難しいことが欠点とされています。
この様なクロムフリー処理と耐食性の向上を両立するために、当社では三価クロム系、ノンクロム系の二種類による高耐食性化成処理(ACF処理)を開発しました。当社の高耐食性化成処理(ACF処理)を不純物対策として取り入れることで、高耐食性、塗装密着性を向上させることが可能です。
6価クロムフリー化成処理 [ACF] 特長
高耐食性化成処理(ACF処理)には、三価クロム系処理とノンクロム系処理の2種類がございます。
三価クロム系処理:ACF-D650 | ノンクロム系処理:ACF62 | |
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色調 | 素地色~薄乳白色 | 素地色~乳白色 |
SST(塩水噴霧試験法) | 180時間 | 24時間 |
精度物(H)処理 | 0.005mm以内 | 0.005mm以内 |
塗装密着性 | 100/100 | 100/100 |
導電性 | 24.5μΩ/㎟(4端子法) | - |
付着力試験(エルコメーター) | 2.5MPa以上 | - |
塩水噴霧試験結果(拡大写真)
コメント
塩水噴霧試験24時間までは腐食は認められなかったが、48時間以降は腐食が多かった部位から白錆が増加している
6価クロムフリー化成処理 [ACF] 用途
- 自動車部品
- 建材等の防食
- 塗装下地処理
ACF – ヒートシンク / A6063