硬質陽極酸化 [Mg White] 概要
現在、マグネシウム合金は「比重が軽い」、「寸法変化が少ない」、「切削しやすく、窪みができにくい」という特長から非常に注目されている素材です。特にその軽さを活かし、パソコンや携帯電話、デジカメ筐体・自動車、航空部品など実用化が進んでおります。しかし、その利点の反面でマグネシウムは化学的に活性なため、耐食性が悪く、防食処理もアルミニウムと比較すると難しいとされています。
当社のMg White(マグホワイト)は平成11年度地域コンソーシアム研究開発事業の「自動車向け中鍛工部品用マグネシウム合金の開発及びその加工技術の研究開発」において従来の陽極酸化皮膜を自動車部品として耐えられるように改良した火花放電型(セラミック型)陽極酸化処理製品です。
MgWhiteの色調はマット調の白色です。機能面としては通常の陽極酸化処理に比べ、耐食性が高く、耐摩耗性も約1.5倍程度向上していることが確認されております。塗装との密着性についてもプライマーなしでトップコートができるため、耐摩耗性の塗料との相性が良く、トップコートの硬さを十分に引き出すことが可能です。
硬質陽極酸化 [Mg White] 特長
色調 |
ツヤなし白色系(マットホワイト) ※着色は可能です。 |
SST(塩水噴霧試験法) | R.N9.8以上 |
精度物(H)処理 | 0.004mm (4μm)以内 |
面粗さ(Ra) | 1.8μm以内 |
皮膜厚さ |
10~15μm ※合金による 20~25μm ※合金による |
比較データ
MX-11(60μm) | MgWhite(20μm) | |
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SST:塩水噴霧試験(サイクル) | 18(RN9.8以上) | 110(RN9.8以上) |
ヒートサイクル試験(サイクル) | 50(R.N10) | 50(R.N10) |
大気暴露試験(年) | 4(R.N9.8以上) | 4(R.N9.8以上) |
接触腐食試験 | 接触腐食あり | 接触腐食なし |
寸法精度(㎜) | ±0.02 | ±0.003 |
面粗さRa(μm) | 10.2 | 1.8 |
耐摩耗性(ds/μm) | 9.1 | 14.2 |
塗装との密着性 | 100/100 | 100/100 |
塩水噴霧試験結果(Mg White)
AZ31材におけるMgWhite®、MgLight®処理後の様子
(無断転載・引用を禁じます)
硬質陽極酸化 [Mg White] 用途
- 測量機
- 輸送機器・搬送機器
- シリンダー等