ノンクロム化成処理 [GD] 概要
マグネシウムは実用金属の中でも密度が小さく、比強度が高いこと、電磁波シールド性など優れた特性を有しており、スマートフォン、ノートパソコンなどの携帯電子機器をはじめ、医療関連用品、自動車、航空機産業などの部品など幅広く使用されています。しかし、マグネシウムは他の実用金属に比べると耐食性が著しく悪いという欠点があるため、実用するにあたっては製品の用途に適した表面処理を施す必要があります。
表面処理の1つである化成処理とは、金属などの素材の表面に化学的な方法によって皮膜を形成する処理のことです。素材表面に化学反応を起こして表面状態を変化させることによって、耐食性を高めたり、塗料との密着をよくしたりするなど、元々の素材に足りなかった性質を与えます。
マグネシウム合金の化成処理としては下記のように大きく分類されます。
(1)優れた耐食性を有するクロム酸を主成分とした方法
(2)素材の表面状態(汚染程度等)に影響を受けやすいクロムフリー
近年、自然環境保護や健康被害防止の観点から毒性を含む六価クロムを使用しないクロムフリー処理液への移行が進んでおります。しかし、クロムフリー処理では十分な耐食性を維持することが難しいとされています。
この様な硬質アルマイト処理で発生する問題を解決するために、当社では耐食性に優れたノンクロム化成処理(GDコート)を開発しました。当社のGDコートはリン酸系で構成されている環境に配慮した化成皮膜です。GDコートはノンクロムでは難しいとされていた耐食性の向上に加え、塗装密着性や電気抵抗値も両立した優れた機能を有しています。
ノンクロム化成処理 [GD] 特長
色調 | 薄乳白色~薄グレー系 |
SST(塩水噴霧試験法) | R.N9.5以上(48時間連続噴霧) |
塗装密着性(旧JIS碁盤目試験) | 100/100 |
皮膜厚さ | 1μm以下(※前処理として0.01~0.03mm前後することがあります) |
表面抵抗値 | 0.2~1.0Ω |
ノンクロム化成処理 [GD] 用途
- 電子機器
- 医療関連用品
- 自動車
- 航空機産業
GDコート – パソコン、携帯カバーなど / AZ91D