硬質アルマイトはの再処理は可能です。
目的によって2つの方法があります。
- 設計変更、加工忘れ、加工ミス、傷等の部分的に修正する場合。
- 硬質アルマイト皮膜を剥離して全面処理をし直す。
1.に関しては、皮膜を剥離しないで再硬質アルマイトを行う特許を取得しており、実際に行っています。ご興味があればご相談頂ければ幸いです。
2.に関しては、全面剥離を行います。
弊社の剥離法は特殊の液にて剥離するために通常の剥離よりも、材料に対する減少量が極端に少なく、面粗さも小さい剥離法ですが、下記の3つについての検討事項が発生いたします。
- 剥離前の皮膜厚さの問題。
- 硬質アルマイト再処理後の面粗さの問題。
- 再生硬質アルマイトは皮膜厚さを要求されているのか、剥離前の寸法を要求されるのか?
実際に行うにあたって、下記の注意点があります。
Ⅰ.硬質皮膜を剥離すると選択的に剥離がおこるために剥離時は気付かないが、再硬質皮膜を行うと面粗さが機械加工時よりも落ちる傾向があり、特にダイカスト、鋳物等が顕著である。又展伸材においては、クラック、指紋、油汚れ等がある場合はそのまま転写されることがあるので注意を要する。
Ⅱ.硬質皮膜は機械部品等に使用されるために皮膜厚さより寸法を要求されることが多い。この場合の再硬質皮膜は剥離の皮膜の2倍+10~15%の皮膜厚さをつけないと元の寸法に戻らない。
詳細
- 例えば、剥離前の面の位置を基準面「0」㎜とし、皮膜厚さを50μmとしたとき剥離後は基準面より‐0.05㎜剥離面が下がる状態になる。
- 再生硬質皮膜は剥離面より増加量が+0.05‥50μm+5μmぐらいつけないと基準面に戻らない。
ここで+0.05㎜増加させるのには皮膜厚さとしては最低100μmが必要となる。