アルミニウム素材は大まかにどのような分類がありますか?
アルミニウムを製造別に分類すると、展伸材と鋳造材に分かれ、展伸材には板、棒、形材、線等があり、鋳物材にはダイカスト、砂型鋳造、金型鋳造等がございます。
展伸材とは何ですか?
プレスや鍛造や押出し加工用の材料です。アルミニウム合金には1000番系から7000番系まで添加元素の違いによって分けられています。展伸材用合金は、板、条、形材、箔、管、棒、線およびリベットに使われる展伸加工性に優れた合金で、鍛造品もこれに含まれます。
鋳造(鋳物)とは何ですか?
アルミニウム合金などの金属を溶かし、砂等で作成した鋳型(いがた)に流し込んで作る製品のことです。溶かして流し込みを行うことで、複雑な形・模様を作ることができ、作る方法のことを鋳造(ちゅうぞう)といいます。融点よりも高い温度で液体にして金型に流し込み、冷やして固める方法です。鋳造性や強度、耐蝕性など求める目的によって多くの種類が揃っています。主な用途として、エンジン部品・軸受・ピストン・椅子などがございます
ダイカスト(ダイキャスト)とは何ですか?
アルミニウム合金などの金属を溶かし、金型へ圧入して成形します。 圧入することによって高精度で鋳肌のきれいな鋳物を大量生産することが可能な製造方法です。
主な用途は、カメラのボディ・オートバイ部品・自動車部品・産業機械部品などがございます。
製品において鋳物とダイカストの見分けかたをおしえてください。
鋳物の中でも砂型の場合、どうしても砂の粒状の凹凸が製品表面に転写されてしまいます。
一方でダイカストは金型を使うため、製品表面が滑らかかつ精度良く仕上がります。また、繰り返し金型を使用するため、固定側と可動側に分かれます。ダイカストは金型から製品を取り外す際に、可動側に製品がくっついているため、イジェクターピン(押し出しピン)と呼ばれるピンで押し外すため、ピンの跡が製品の裏側(型の可動側)にあります。
分類法に熱処理による分類がありますが、熱処理、非熱処理合金とはどのような違いでしょうか?
アルミニウム合金には熱処理合金(2000番系、6000番系、7000番系)と非熱処理合金(1000番系、3000番系、5000番系)の2種類があります。
耐食合金、高力合金等の名称が図面にありますが、この意味は何ですか?
1970年にJISの大幅改正が行われ、アメリカのアルミニウム協会(A.A)の記号にならうようになりました。この時の旧JIS記号の呼称を指します。
新旧対称名を下記に示します。
0:高純度アルミニウム、 1:アルミニウム、 2:耐食アルミニウム合金
3:高力アルミニウム合金、 4:耐熱アルミニウム合金
例: A1P0(特2種):A1070P、 A1P3(3種):A1100P
A2P1(1種):A5052P、 A2B2(2種):A5056B
A2B5(5種):A6063BE、 A3P1:A2014P
但し、P,B,BEは形状記号。