6価クロムフリー化成処理 [ACF] 概要
アルミダイカストの化成処理は半導体、医療機器、精密部品産業など様々な分野で使用されています。しかし、アルミダイカストや鋳物など複雑な構造をしていると、表面から発生するゴミやホコリ等の不純物が落ち、機器への付着へ繋がり誤作動を起こすなど、動作状況へ影響を及ぼしてしまいます。
これまでは耐食性や密着性を向上するため、主に六価クロムを使用したクロメート処理が行われてきましたが、近年、自然環境保護や健康被害防止の観点から毒性を含む六価クロムを使用しないクロムフリー処理液への移行が進んできています。しかし、アルミダイカストにおいてクロムフリー処理では十分な耐食性を維持することが難しいとされています。
当社では、アルミダイカスト用クロムフリー処理と耐食性の向上を両立するために、三価クロム系、ノンクロム系の二種類による高耐食性化成処理(ACF処理)を開発しました。特にADC12材に代表される高シリコン材用に開発したACF-D650処理は半光沢の素地色~薄褐色系の色調でゴミやホコリの発生が少なく、クロメートと同等の密着性と耐食性を有しています。
6価クロムフリー化成処理 [ACF] 特長
高耐食性化成処理(ACF処理)には、三価クロム系処理とノンクロム系処理の2種類がございます。
三価クロム系処理:ACF-650 | 三価クロム系処理:ACF-D650 | ノンクロム系処理:ACF62 | |
色調 | 素地色~薄乳白色 | 素地色~薄乳白色 | 素地色~乳白色 |
SST(塩水噴霧試験法) | 168時間 | 600時間 | 24時間 |
精度物(H)処理 | 0.005mm以内 | - | 0.005mm以内 |
塗装密着性 | 100/100 | 100/100 | 100/100 |
各種化成処理の塩水噴霧試験結果(材種:ADC12ダイカスト)
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6価クロムフリー化成処理 [ACF] 用途
- 半導体部品
- 医療機器部品
- 精密部品全般
ACF - カバー、ガスケット / ADC12、AC4C
6価クロムフリー化成処理 [ACF] 対応可能な材質・大きさ
ADC10、ADC12等ダイカスト製品におすすめです。