耐摩耗性アルマイト [タフガード] 概要
本来、耐摩耗性は硬質アルマイトに求めるものかと思いがちです。しかし、アルマイトの実際の摩耗試験は試験方法が多く、「どの材料で、どの方法で、どの様に行っていいか」など複雑なため不明な点が多いこと、更に試験時間もそれなりに要してしまいます。一般的に硬質アルマイトといえば硬さを示す傾向にありますが、使用例から推察すると「耐摩耗性アルマイト」と表現するのが本来の目的に適しています。硬質アルマイト処理を行うにあたりアルミダイカスト材も頻度が高く使用される素材です。
アルミダイカストの組成特長として、湯の流動性を考慮しケイ素(Si)が多く添加されている合金が多く存在します。しかしそのままアルマイトを行うとケイ素が皮膜中に残ってしまい、面粗さ、硬さに差をもたらす原因となります。
硬さについては、JIS規格の顕微鏡断面法で皮膜厚さと、硬さをビッカース硬度計で測定すると表面が凹凸になっていることが観察されます。これは、展伸材で同様の処理を行った皮膜と比べて数倍の面粗さであることを示します。
当社のアルミダイカスト用タフガードは硬さと耐摩耗性に特化した硬質アルマイト処理で、皮膜厚さ5~40μmで、硬さ330~380HV、耐摩耗性はJIS規格の1.2倍といった優れた性能を有しています。
耐摩耗性アルマイト [タフガード] 特長
皮膜厚さ | 5~40μm |
硬さ | 330~380HV |
耐摩耗性 | JIS規格の1.2倍 |
耐摩耗性試験※1
※1:往復運動平面摩耗試験 (一社)軽金属製品協会にて試験
(ADC12:#320研磨紙, 押付け力3.9N)※2:従来品の耐摩耗性試験の結果を1としたときの値
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耐摩耗性アルマイト [タフガード] 対応可能な材質・大きさ
- アルミダイカスト材:ADC5、ADC6、ADC10、ADC12、ADC14
- アルミ鋳物:AC4C、AC4D、AC4DH、AC7A
耐摩耗性アルマイト [タフガード] 特記事項
耐摩耗性については、相手材、使用方法、耐久時間等の諸条件によって異なりますので、一度ご相談ください。