SUS不動態化処理 [パシペート] 概要
ステンレスは耐食性以外にも耐熱性・加工性・強度など金属の中でも優れた特性を備えています。ステンレスの製造過程において、表面に強固な防食皮膜を作ることで錆から素材を守るという性質があります。しかし、ステンレスも合金種によって防食皮膜が目的の性能を達しない場合や更に強固な防食皮膜が求められる場合があります。
パシペート処理は、ステンレスをより強固な防食皮膜が必要な際に行う化学的手法です。汚れを除いたステンレスに酸素と更にCr(クロム)と結びつけた非常に薄い酸化膜を「不働態化皮膜」といい、耐食性を向上させます。不働態皮膜は100万分の3mm程度でごく薄いものですが、強靭なもので、一度壊れても周囲に酸素があれば自動的に再生する機能を持っています。意匠性にも優れ、メンテナンスが容易であることも大きな特徴です