特殊硬質アルマイト [SHAシリーズ] 概要
従来のアルマイトや硬質アルマイト処理は、材質によって向き、不向きがあります。そのため本来の使用目的に合った素材を選定しても、表面処理ができないために諦めざるを得ないというケースが多々あります。
特に硬質アルマイト処理はアルミ鋳物やアルミダイカスト材ではアルミニウム+銅系(Al-Cu系)、アルミニウム+ケイ素+銅系(Al-Si-Cu系)などで皮膜が目的の硬さ、皮膜厚さが十分に確保することが難しいとされています。また、無理に処理を行うと素材自体を溶かしてしまうことが懸念されます。
この様な硬質アルマイト処理で発生する問題を解決するために、当社では素材に左右されない特殊硬質アルマイト処理(SHAシリーズ)を開発しました。当社のSHA処理は、これまでアルマイトや硬質アルマイトで難しいとされていたSi系、Cu系、Ni系等が含有されたアルミダイカストや鋳物などでも目的に応じた硬さならびに皮膜厚さに対応できます。
特殊硬質アルマイト [SHAシリーズ] 特長
合金種、製造方法に問わず、全ての素材に硬質アルマイト処理が可能
硬質アルマイト(HA)と特殊硬質アルマイト(SHAシリーズ)の性能比較
皮膜厚さ (μm) |
硬さ (HV) |
耐食性 (sst)hr |
耐摩耗性 ds/μm |
色調 | その他 | |
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硬質(HA) | 20~150 | 400以上 | 1000時間以上 | 120 | 褐色~濃い褐色~黒 | |
特殊硬質(SHAシリーズ) | 5~100 | 300~350 | 〃 | 100 | 素地色~褐色~濃い褐色 | 白硬質可能 |
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特殊硬質アルマイト [SHAシリーズ] 用途
- 耐摩耗性部品(ピストン、シリンダ)
- 摺動が必要とする部品等
特殊硬質アルマイト [SHAシリーズ] 対応可能な材質・大きさ
【対応可能材質】
全てのアルミ鋳物・アルミダイカスト材で対応可能です。
・アルミニウム鋳物:AC1A、AC2A、AC2B、AC3A、AC4A、AC4B、AC4C、AC4CH、AC4D、AC4DH
AC5A、AC7A、AC8A、AC8B、AC8C、AC9A、AC9B
・アルミダイカスト:ADC3D、ADC5、ADC6、ADC10、ADC12、ADC12Z、ADC14
【対応可能最大サイズ】2000×1000×800mm